祇園祭の宵山では、子どもたちのわらべ歌が町内に響き渡ります。幼稚園や小学校で行われる発表会のときとは、また違う、「気取らない」歌声です。
宵山に響き渡る子どもの歌声
宵山で山鉾巡りをしていると、
子どもたちの歌声が聞こえてきます。
どこの山鉾でも歌っているのでは
ないようです。
そんなに大きくない山鉾、
木賊山(とくさやま)とか
太子山を覗いてみてください。
歌声を録画したので、
ちょっと聞いてみてください。
音が出ますので、気をつけて。
どうですか、すごくいい感じでしょ。
ただし、東から来た人は、
わらべ歌が聞き取れないかと思います。
私は、歌詞の半分も
わかりませんでした😢
アクセントもそうですが、
歌詞が日常的ではないので、
なおさらです。
わらべ歌の歌詞
わらべ歌を
文字起こししてみたのですが、
どうやら基本型の
元歌があるようです。
♪○○の厄除けのお守りは
これより出ます
ご信心(しんじん)の
御方様(おんかたさま)は
受けてお帰りなされましょう
ろうそく一丁献じられましょう
ろうそく一丁どうですか♪
のようです。それを各山鉾で
アレンジして、歌っているようです。
各山鉾でアレンジ
たとえば、後半部分がちがうバージョン。
♪○○の厄除けのお守りは
これより出ます
ご信心の御方様は
受けてお帰りなされましょう
ろうそく1本献じられましょう
ちまきどうですか
お守りどうですか
手ぬぐいどうですか
どうですか どうですか♪
ちゃっかり、手拭いまで
勧めています😊

わらべ歌の意味
いろいろな山鉾で聞いた
わらべ歌を、AIの助けを借りて
訳してみました。
青字が歌詞で、
赤字が訳です。
○○の厄除けのお守りは
これより出ます。
厄除けのお守りは
こちらでお渡ししています。
○○には、その山鉾の
名称が入ります。たとえば、
「木賊山(とくさやま)の
厄除けのお守りは」とか。
八幡山では、
「八幡さんの厄除けのお守りは」
になります。
「厄除け」だけではなく、
「厄除け長寿」と歌う
山鉾もありました。
太子山では、
「聖徳太子 知恵のお守りは」でした。
ご信心の御方様は、
受けてお帰りなされましょう。
お参りに来た方は、
お守りを受け取ってお帰りください。
「受けて帰る」とは、
お守りは「買う」ものではなく、
「受ける」「授かる」ものだそう。
「ご信心の御方様」は、
信心深い人ではなく
普通の人のことだそうです。
ろうそく1本献じられましょう。
△ろうそくを1本(買って)、
お供えしてください。
もとは「ろうそく1丁」のようで、
太子山では「ろうそく1丁」、
木賊山では「ろうそく1本」と
歌っていました。
豆腐でさえ「1個」と
数えている私にとっては
「ろうそくいっちょう
けんじられましょう」
と耳から入ってきても、
気分は「ガイジン」に
なってしまいます😢

ちまきは「生」じゃない
ちまきどうですか。
これ、私が大間違いしたもので、
ちまきを玄関に飾っているのを見て、
おいおい、生ものぶら下げるの?
お墓などに供えるのと同じ?
と、食べ物の「ちまき」と
思っていました
(いま考えると、
かなり恥ずかしい)
笹の葉でつくったちまきに似せた
厄除けのお守りなんですね。
宵山は宵々々山・宵々山とは別
また、宵山では、宵々々山と
宵々山にはない、
♪厄除けのお守りはこれより出ます
明日は出ません今晩限り
ご信心の御方様は
受けてお帰りなされましょう♪
のように
「明日は出ません今晩限り」
が追加されます。
宵山は今夜で終わりなので、
お守りを受けられるのは
今夜が最後と、知らせます。
基本型を踏まえて
臨機応変に必要な要素を
盛り込む。
なんて機能的なわらべ歌
なんでしょうか。
ということで、
子どもたちが歌っているのは
その山鉾で扱っている
祇園祭のアイテムの
おすすめでした。
素直な歌声が響き渡る
わらべ歌の意味がわかると
その歌声がよけいに
かわいく感じられます。
同じくハレの日なのですが、
幼稚園や保育園、
小学校での発表会とは違って
「きれいに歌おう、上手に歌おう」
という気負いはなく
多少ぶれていても、
生き生きとした歌声です。

でも、歌うときによって、
力が入る場所が変わったりするのは、
ご愛嬌😁
最初に頑張りすぎて、最後の方は、
息が続かなくなり
小さな声になったけれど
最後のフレーズまで、
歌いきるぞという
子どもならではの純粋な決意で
再び声量を取り戻して、
さびの先頭である
「ちまきどうですか」
と、声を張り上げるのですが、
息が切れそうになり、
「やべ、まだお守りどうですかと
手ぬぐいどうですかが
残ってるじゃん。
巻かなくちゃ(いそがなくちゃ)」と、
あせって「お守りどうですか」を
歌い切らないうちに
「手ぬぐいどうですか」を
覆い被せるように歌って
なんとか歌い切るときもあります。
また、オーラスの
「どうですか どうですか」は
はしょって、とっとと歌っちゃおう感
丸出しの時もあります😆
綺麗に丁寧に上手に歌うのではなく
ありのままの姿で歌うからこそ、
反対にその歌声がここちよく
古都に響き渡るのでしょう。
「最後まで、ちゃんと歌いきったね」と
褒めてあげたい衝動にかられる
感動の合唱です。


大きな山鉾から聞こえてくる
コンチキチンもいいですが、
小さな山鉾から響き渡る
子どもたちの歌声にも
耳を傾けてみてください。
どーですか~♪
どーですか~♪

