つかれたら、京都においで。
ぼーっとできる場所、あります。

平安神宮は参拝だけではもったいない。静寂の庭「神苑」の歩き方|京都の観光名所で癒やされる エッセイ

京都・平安神宮の大鳥居と青空、参拝へ向かう入口の風景

平安神宮に行ったことはあるかもしれませんが、その庭を見たことがありますか。
平安神宮にはぼーっとできる庭があります。

朱色の応天門と本殿だけが平安神宮じゃない

平安神宮に行くと、朱がまぶしい大鳥居と応天門が出迎えてくれます。

平安神宮の大鳥居と参道の風景
京都・平安神宮の朱色が美しい応天門と青空の風景

きれいな白砂、でも靴に入ると少し痛い白砂を歩き、「りっぱな建物ね」と感心しながら本殿で参拝して、はい、終了。

京都・平安神宮の本殿に参拝する多くの人でにぎわう境内の様子

これでは、徒然草の「仁和寺の僧が石清水八幡宮で、麓にある神社だけを拝んで満足して、山頂の本殿に行かなかった」のと、同じことになります。
平安神宮にはとても落ち着く庭、「平安神宮神苑」があるので、参拝が終わったら是非庭に赴いてください。

控えめすぎる案内板の先に、隠された京都

本殿の左にある建物に「庭」の案内があります。

京都・平安神宮の朱色の社殿が並ぶ静かな境内の様子

少し進むと、ここから庭の看板があります。

京都・平安神宮の境内にある神苑入口の案内板と朱色の社殿

でも、どの案内板も控えめで、よく見ないとわからないかもしれません。

入り口に受付があり、巫女さんの格好をした方がいます。入園料600円を払い、庭園内に入ります。

京都・平安神宮の神苑入口にある入園受付と料金案内の窓口

庭は広いです。平安神宮を左からぐるっと囲むように南神苑から西神苑、神宮の上側を通り、右に進んで中神苑、東神苑へと進みます。

京都・平安神宮の神苑を一周できる庭園マップ

文学の中に生きてきた草木たちと出会う庭

まず、庭に入ると、草木の名前が書いた札があります。植物園と違うのは、その草木が平安文学などの、どの書物に登場するかを教えてくれることです。たとえば源氏物語や古今和歌集。しかも百人一首に詠まれていることも明記されています。お正月にいったので、みんな枯れていて残念でした。

京都・平安神宮の神苑にある草木の名前と文学作品が書かれた案内札
京都・平安神宮の庭にある、古今和歌集や百人一首と草木を結びつけた案内札

または清少納言の『枕草子』。南国の木と思っていたシュロですが、そこにある説明書きは、『枕草子』40段、「棕櫚の木、辛め来てわるき家の物とは見えず、云々」と。実は清少納言も見ていた木だったようで、とても驚きました。

京都・平安神宮の神苑に広がる木々と苔の庭の風景。シュロの木
京都・平安神宮の神苑にある『枕草子』に登場する草木を紹介する案内札

水の音に包まれる、南神苑の静かな時間

南神苑には、木でつくられた小屋があり、ゆっくりできます。

京都・平安神宮の南神苑で水辺にたたずむ東屋と静けさに包まれた庭

池が作られていて、小川が流れています。川のせせらぎと鳥のさえずりがいやしてくれること間違いなしです。

京都・平安神宮の庭に流れる小川と静かなせせらぎの風景

外の世界が消える、垣根に囲まれた庭の奥

いちばん北に来ると弊がありますが、外は全く見えません。垣根の上に木が垂れ下がっていて庭の外がまったく見えないつくりです。

京都・平安神宮の神苑で、垣根と木々に囲まれた静かな庭の小道

龍の背に乗り空を舞う

平安神宮の右側(東側)、中神苑に移動すると、ここにも大きな池があります。そこには、「臥龍橋」がかかっています。橋と言っても石柱が何本も池に埋められているだけですが。この石柱には、豊臣秀吉によって造営された三条大橋と五条大橋の橋脚が用いられているとか。

京都・平安神宮神苑の臥龍橋に並ぶ飛び石と水面に映る庭の緑

この橋を渡る人には、「龍の背にのって池に映る空の雲間を舞うかのような気分を味わっていただく」という作庭者、小川治兵衛の意図が織り込まれているそうです。
実際に石柱から石柱に渡り歩くと、その下の池には雲が映り込んで、空にいるよう。石柱は一直線ではなく蛇行して配置されていて、それが龍の背のように感じられます。

京都・平安神宮神苑の臥龍橋を渡りながら池に映る空と庭園を楽しむ風景

石のベンチで、なにもしない贅沢

ここもそうですが、石で作られた長椅子があるので、一服。臥龍橋を渡った後は、ゆっくり池にかかる橋を眺めましょう。
ぼーっと、ぼーっと。動いているのは雲くらいで、焦点を合わせる力もださなくていいくらいのリラックス。

京都・平安神宮神苑の小道に置かれた石のベンチと、静かに続く庭の風景
京都・平安神宮神苑の池と低く刈り込まれた庭木が広がる、石のベンチ越しの静かな景色

東屋でひと息、庭の中のお茶時間

ほんとうに喉が渇いたら、東屋に。屋根には草木が生えている趣のある建物です。ここでお茶やぜんざいを振る舞ってもらえます。ただし、現金のみなのでご注意。

京都・平安神宮神苑の庭の中に建つ東屋で、お茶と甘味を楽しめる静かな茶屋の風景
京都・平安神宮神苑の庭の東屋に置かれた、お茶と甘味のメニュー看板

空と静けさが広がる泰平閣へ

最後は橋殿の「泰平閣」。「橋殿」とは、床を高くして橋のように架けた建物のことを言うそうです。

京都・平安神宮神苑の池に架かる泰平閣と、静けさに包まれた庭の風景

屋根の上には鳳凰。ここは、どこに座ってもビルは見えません。

京都・平安神宮神苑の泰平閣の屋根に立つ鳳凰
京都・平安神宮神苑の泰平閣から眺める池と庭園の静かな風景

渡り終えると出口に。平安神宮の右側、入り口とシンメトリーな場所に出ます。

京都・平安神宮神苑の出口にある朱塗りの門から外へ抜ける風景
京都・平安神宮神苑を出た先に広がる本殿と境内の風景

春にはしだれ桜、夏には花菖蒲、秋は紅葉、真冬は雪化粧と、見るものに困りませんが、なにもない冬に行っても、すーと心が洗われ、自然と深呼吸している自分に気づきます。いつ行っても混雑していないので、落ち着きますよ。

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