芬陀院(雪舟寺)で7つの京都らしさを堪能する|京都の観光名所で癒やされる

図南亭の円窓から見える庭と縁側 お寺・神社

東福寺の塔頭のひとつに、芬陀院(ふんだいん)、通称「雪舟寺」があります。石畳の参道、苔、枯山水の庭、円窓、そして静寂。京都らしさが全部つまった小さなお寺は、縁側の座布団にすわってぼーっとするだけで、こころが整う場所です。

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京都らしさ① 石畳の参道

東福寺の中大門へ続く道

東福寺に続く
アスファルトの道を右に折れ、
芬陀院の門をくぐると、
石畳の参道。

芬陀院(雪舟寺)の門と石畳

門の柱には
「雪舟寺」「雪舟庭園」の札。
門のむこうに、
もう石畳と緑が見えています。

「雪舟寺」「雪舟庭園」の札がかかった門から見える石畳の参道

京都らしさ② 苔

苔寺があるくらいですから、
京都といえば「苔」。

門をくぐると、
お寺に続く石畳の両脇は苔。
木々の緑と苔の緑で、
緑づくしのなかを歩きます。

苔と生垣にはさまれた芬陀院の石畳の参道

みっしりと敷き詰められた苔を
愛でられます。

参道わきにみっしり生えた苔

京都らしさ③ 枯山水の庭

玄関で靴をぬいで上がると、
縁側の内側に
畳敷きの廊下(入側)があります。

庭に面した畳廊下に並ぶ座布団

座布団まで用意してくれています。

この前に広がるのが、鶴亀の庭。
亀島と鶴島がある庭です。
しかも枯山水の庭。
白い砂利には、波の模様。

もう、これぞ「京都」
という気分になります。

縁側から見た鶴亀の庭のパノラマ
白砂と苔、竹林を背にした鶴亀の庭

やるな、雪舟

しかも、この庭、
雪舟の作と伝わります。

「えっ? 雪舟って、
水墨画の人では?」

そう、あの雪舟です。

雪舟は幼少期、
岡山県のお寺で修行。
絵ばかり描いて
修行をさぼったとかで、
和尚に柱に縛られる。

和尚が雪舟の様子を見に来たら、
一匹のネズミが!
それは雪舟が
涙で描いたネズミ。
そんなエピソードがあるくらいの
絵のうまい人。

時の権力者・一條兼良も
その話を知っていたようで、
雪舟に、このお寺のために
亀の絵を描くように望んだそう。

しかし、雪舟は亀の絵を描かない。
この寺に来てしたことは、
石を動かし、亀を造形。

鶴亀の庭の亀島の石組

できたあと、ある夜、
和尚さんが外が騒がしいと
障子の隙間から庭をのぞくと、
石の亀が庭を歩き回っている。

「雪舟さん、亀が歩いてますがな」
「ほな、重しを載せときましょ」

と言ったかどうかはわかりませんが、
雪舟に苦情を訴えると、
雪舟は亀の甲に大きな石を載せて
動かなくした。

絵のネズミは動くし、
石の亀は這い回る。
やるな、雪舟。

動かないはずの生き物に
息吹を与える。
最大の褒め言葉を、
絵でも造形物でも
手に入れています。

京都らしさ④ 円窓

南に向いた鶴亀の庭の左端から
北に進むと、
図南亭(となんてい)
という茶室があります。

円窓のある茶室・図南亭の外観

ここの南側には、円窓があります。
またひとつ、「京都、見っけ!」です。

そうそう、
京都と言えば、この窓。

図南亭の円窓から見える庭と縁側

障子が少し開いて、庭が見える。

撮り放題。
しかも、見えるのは庭。
縁側とその前にある庭を
横から切り取った風景。

計算された窓。

この茶室、
「茶関白」といわれるほど
お茶を愛した、
一條昭良(恵観)好みだそう。

京都らしさ⑤ 障子と紅葉

外から見たときには
見えなかったのですが、
内側から見ると、紅葉が
障子にはさんである、おしゃれ。

格子窓の障子にはさまれた赤い紅葉

これも京都っぽい遊び。

それは障子の
取っ手の部分にもありました。

障子のあいだから見える東庭と、取っ手の紅葉

紅葉や小さな葉が
羽根のように並んだ枝が、
和紙のあいだに
とじこめてあります。

障子の取っ手部分にとじこめられた紅葉
障子の取っ手部分にとじこめられた小さな葉の枝と鶴亀の庭

京都らしさ⑥ 手水鉢の花

庭のすみには、石の手水鉢。
竹のひしゃくが載っています。

その奥の竹の筒に、
黄色と紫の花が
いけてある、おしゃれ。
筒がちょっと
傾いている、愛嬌。

石の手水鉢と、竹筒にいけた黄色と紫の花

京都らしさ⑦ 静寂

座布団にすわって、
耳をすますと、
鳥のさえずりのみ。

微かに下界の音。
電車、車。
でも、圧倒的に鳥。

縁側から眺める鶴亀の庭と竹林

鳥は、何種類も
いるようです。
鳴き声を聞いても
鳥の名前がわからないので、
聞いたままの声を
お伝えします。

「ぴー」
「ぎー」
「ピッピッ」
「ぴしゅぴしゅ」

鳥のさえずり四重奏に
なることも。

奥嵯峨や岩倉まで行かなくても、
静寂を手に入れられます。

門をくぐれば、雪舟の時代

門をくぐると、
そこはもう雪舟がいた時代にまで
遡れます。

電線も看板も見えなくなる。

塀と木立と竹林に囲まれて、
外が見えない。
下界から離脱できます。

竹林と木立に囲まれた鶴亀の庭

借景のその先は、
ずっと山が続いているように
思われるほど。
街中ではなく、
奥深い山麓に
いるように感じます。

室町時代に
タイムスリップできる場所。

パワースポットというより

人はこの寺をパワースポットと
言うかもしれませんが、
私からすれば、
そんな大げさな場所ではなく、
こころが整う場所。

ここに来ると、
何かのスイッチが
「パチッ」って入って、
「お、元気になったぜ!」と、
一瞬で気力が回復する、
病んだ心が治る、
というわけでは
ないように感じます。

ただ、この庭を眺めながら、
ひなたぼっこしていると、
じわじわと
日に当たったところから
あったかくなり、
穏やかな気持ちになります。

縁側には風が通ります。
30分くらい
ひなたぼっこさせてもらいました。

ぼーっとしてても怒られません。
誰にも急かされません。

縁側と白砂の庭

自己治癒力を高めてくれる装置。

リセットできます。
再起動のボタンを押すことなく、
体のうちからリセットできます。

「これからどうする」と
悩んでいるときに来ると、
心の整理ができそうです。

東福寺に来たら、
ちょっと寄り道して、
座布団にすわってみてください。

門へ続く帰り道の石畳の参道

庭を見ていたら、
いつのまにか
障子の枠に
緑の虫が。

縁側の障子の枠にとまった緑の虫

「どなた?」

障子の枠にとまったヒメクダマキモドキ

名前もわからず、
Googleで調べると、
ヒメクダマキモドキ、
らしい。

スマホで虫の名前を調べた画面(ヒメクダマキモドキ)

これも京都らしさの
ひとつでしょうか?


芬陀院(雪舟寺)の基本情報

アクセス
JR奈良線・京阪電車「東福寺」駅から
歩いて10分ほど。
東福寺の中大門をくぐって進み、
右に折れると門があります。

拝観時間
9:00~17:00(受付は16:30まで)
※12月~3月は16:30まで(受付は16:00まで)

拝観料
大人(高校生以上)500円、小人(小・中学生)300円
(2026年10月に訪ねたときの案内板より)

公式サイト

水墨画ではない雪舟に会える 東福寺 芬陀院 公式サイト
「茶室の園窓から味わう雪舟の美意識」水墨画ではない雪舟に会える 東福寺 芬陀院
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