京都の北のはずれ、鷹峯にある源光庵。丸い「悟りの窓」と四角い「迷いの窓」で知られるお寺です。ちらっと見て通り過ぎるのは、もったいない。じっくり眺められる場所を3つ、ご案内します。

ちょっと不便な場所
源光庵があるのは、
京都の北のはずれ、鷹峯。
正直、行くのにちょっと不便です。
地下鉄の北大路駅から、
市バスの北1系統で15分ほど。
「鷹峯源光庵前」で降りれば、
お寺は目の前です。
「金閣寺から歩けないの?」
地図で見ると、北へ2kmくらい。
歩けなくはないけれど、
帰りの足は残しておきたいところです。

門で会ったおじさん
門のところに、犬を連れたおじさんが座って、
靴紐を結んでいました。
地元の人かと、
横を通る時に軽く会釈すると、
にこっと笑って
「源光庵です。ゆっくり見ていってください」。
このお寺の住職さんが、
犬の散歩に出かけるところだったようです。
気さくな方で、
お寺の印象がさらに上がりました。



丸い窓と四角い窓
本堂の奥に、ふたつの窓が並んでいます。
丸いのが「悟りの窓」。
四角いのが「迷いの窓」。
丸は悟りや大宇宙を、
四角は生・老・病・死、
人の一生の苦しみをあらわしているそうです。
ただ、正直に言うと、
「悟り」と「迷い」は、あまり感じませんでした。
けっこうさっぱりしたところで、
重たい空気もありません。
窓の向こうは、緑いっぱいの庭です。


みんな、すぐ通り過ぎる
意外とみんな、
「へー、窓なんだ」と少し見て、
通り過ぎていきます。
観光タクシーで来たご夫婦も、
女性のふたり連れも、母娘も、
運転手さんの説明を聞いて
「なるほど」で終わりっぽい。
もったいない!
この窓、じっくり眺められるんです。
その1 畳にすわって見つめる
窓の前は畳です。
窓の前の畳にすわって、見つめてみてください。


その2 長椅子から眺める
少し引いたところに、
長椅子が用意されています。
そこから、畳の先にある窓を見る。
窓が、額に入った絵のようになります。


その3 柱をまんなかに
ふたつの窓の間には、柱が1本。
その柱をまんなかにして見ると、
ふたつの窓を同時に見られます。
左に丸、右に四角。

「うちには△はないんです」
窓の前にいると、
70代くらいの女性がひとり、
こちらへ歩いてきました。
中国か台湾からいらした方のようです。
そこへ、お寺の人が出てきて
なにか、丁寧に説明していました。
ちらっと聞こえたのが、
「うちには△はないんです」。
「丸と四角があるなら、三角は?」
と、聞いたのかもしれません。
おばあさん、どんな質問したんだろう?
そっちの方が、気になりました。
おばあさんの質問、
受付の人は、答えが足りてるか
気になったのでしょうか。
お寺の人に報告し、
くわしい人が出てきて、
追加の説明のよう。
お寺の心遣い、
やさしいです。
天井を見上げると
みんなの反応がいいのは、
むしろこちら。本堂の廊下の天井です。
その名も「伏見桃山城遺構血天井」。
慶長5年(1600年)の伏見城の戦いで、
城を守った鳥居元忠ら380人ほどが自刃。
そのときの血の付いた床板を、
天井にしているのだそうです。
亡くなった人の供養のために、
このお寺が引き受けたとか。
みなさん、熱心に見上げています。
ある人は「血の手形もありますね」と、
じっと目をこらしていました。


鶴亀の庭
丸い窓、四角い窓の横にも建物があり、
その縁側からは庭が見えます。
ここも鶴亀の庭。
紅葉の木がいっぱいあったので、
紅葉のときはさぞ綺麗でしょう。
またこなくちゃ。




源光庵に来たら、
窓の前で、
ちょっと長めに
すわってみてください。
「悟り」も「迷い」も、
わからなくて大丈夫。
私も、わかりませんでしたから。
源光庵の基本情報
アクセス
地下鉄烏丸線「北大路駅」から市バス北1号系統(玄琢行き)で約15分
または「四条大宮」から市バス6号系統(玄琢行き)
どちらも「鷹峯源光庵前」下車すぐ
拝観時間
9:00~17:00(受付は16:30まで)
拝観料
400円(紅葉の時期は500円)
※法要など寺の行事のときは、拝観できないことがあります。公式サイトのお知らせで確かめてからどうぞ。
撮影
OK(三脚は使えません)
公式サイト
近くに泊まるなら
どこからも離れた源光庵ですが、同じ鷹峯に宿があります。
拝観のあとは、バスに揺られず宿へ直行。
不便な場所こそ、近くに泊まれば安心です。
|
|

